日本民法と韓国民法の代襲相続の違い
- 日本民法と韓国民法で代襲相続人の範囲は異なりますか。
- 異なります。
詳細な説明
日本民法において、代襲相続が認められていますが(民法887条2項、889条2項)、韓国民法においても代襲相続が認められています(韓国民法1001条)。
もっとも、以下のような違いがあります。
- 日本民法では、被代襲者の子が代襲相続人となりますが、韓国民法では、被代襲者の直系卑属及び配偶者が代襲相続人となります(韓国民法1001条、1003条2項)。
- また、代襲原因も異なります。
- さらに、再代襲相続についても違いがあります。
すなわち、日本民法の場合、被相続人の子が相続開始前にすでに亡くなっていた場合、その子(被相続人の孫)が代襲相続人となりますが、韓国民法の場合、被相続人の孫だけではなく、被相続人の子の配偶者も代襲相続人となります。
日本の民法は、相続人となるべき子や兄弟姉妹の死亡、相続欠格、相続廃除が代襲原因ですが、韓国民法では、相続人となるべき子や兄弟の死亡、相続欠格が代襲原因となっています。
日本民法の場合、被相続人の子に代襲相続が発生すれば、被相続人の子の子(被相続人の孫)が、代襲相続人となり、その孫に代襲相続が発生すれ被相続人のひ孫が代襲相続人となります(民法889条2項)。しかし、再代襲相続は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合には認められていません(民法889条2項)。
他方、韓国民法では、被相続人の兄弟姉妹が相続人となっている場合にも、再代襲相続が認められています。
日本民法 | 韓国民法 |
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(韓国民法)
第1000条(相続の順位)
① 相続においては、次の順位で相続人となる。
- 被相続人の直系卑属
- 被相続人の直系尊属
- 被相続人の兄弟姉妹
- 被相続人の4親等内の傍系血族
② 前項の場合に、同順位の相続人が数人であるときは、最近親を先順位とし、同親等の相続人が数人であるときは、共同相続人となる。
③ 胎児は、相続順位に関しては、既に出生したものとみなす。
第1003条(配偶者の相続順位)
① 被相続人の配偶者は、第1000条第1項第1号及び第2号の規定による相続人がある場合は、その相続人と同順位で共同相続人となり、その相続人がないときは、単独相続人となる。
以上