曖昧な遺言「○○に私の財産全部をお願いします。」との遺言の効力について

叔母がなくなって、遺言書には、相続人の一人である私(Aさん)に対して「Aに私の財産全部をお願いします。」との記載があります。叔母には、預金5000万円があります。相続人は、叔母の弟3名と、叔母の兄ですでに他界した父の子の私(甥)の全部で4名です。銀行に払い戻し請求をしましたが、遺言書があいまいなので払い戻しに応じることはできないと言われました。遺言は無効であり、他の相続人たちと遺産分割協議をしなければならず、私は法定相続分しかもらえないのでしょうか?
自筆証書遺言の場合は、このような曖昧な遺言書が多くあります。一般的には、「相続させる」「遺贈する」などといった文言が使われます。「お願いします。」や「まかせます。」といった曖昧な文言では、受贈者が銀行に遺言書を持ち込んだとしても銀行が払い戻しを拒否することもしばしばです。

 ただし、遺言書があいまいでも無効であるとは限りません。安易に遺産分割協議などせずに、裁判所に判断してもらうほうが賢明です。裁判例では、遺言者の死亡時までの状況、遺言書作成に至った経緯などすべての事情にかんがみて、遺言書の趣旨を解釈することとなり、おそらく本件の場合は、Aさんに相続させる趣旨と解釈されることになると推察されます(参考判例:大阪高裁平成25年9月5日、判例時報2204号39頁)。

 遺言が有効であることの確認請求訴訟後に銀行に払い戻し請求するか、又は銀行に払い戻し請求訴訟を提起すれば、払い戻しは可能であると推察されます。
 ご参考にしてください。

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