延滞税・加算税・名義預金にご注意ください。

延滞税・加算税・名義預金にご注意ください

1. 延滞税とは、納税者が納付すべき国税を法的納付期限までに納付しない場合に課せられるものです。

法定納期限(※1)の翌日から納付する日までの日数に応じて次の割合により延滞税が課されます。

① 納期限(※2)の翌日から2月を経過する日まで

原則として年「7.3%」もっとも、平成12年1月1日から平成25年12月31日までの期間は、「前年の11月30日において日本銀行が定める基準割引率+4%」の割合となる。
また、平成26年1月1日以後の期間は、年「7.3%」と「特例基準割合(※3)+1%」のいずれか低い割合となる。なお、具体的な割合は、次のとおりとなる。

  • 平成30年1月1日から平成30年12月31日までの期間は、年2.6%
  • 平成29年1月1日から平成29年12月31日までの期間は、年2.7%
  • 平成27年1月1日から平成28年12月31日までの期間は、年2.8%
  • 平成26年1月1日から平成26年12月31日までの期間は、年2.9%
  • 平成22年1月1日から平成25年12月31日までの期間は、年4.3%
  • 平成21年1月1日から平成21年12月31日までの期間は、年4.5%
  • 平成20年1月1日から平成20年12月31日までの期間は、年4.7%
  • 平成19年1月1日から平成19年12月31日までの期間は、年4.4%
  • 平成14年1月1日から平成18年12月31日までの期間は、年4.1%
  • 平成12年1月1日から平成13年12月31日までの期間は、年4.5%
② 納期限の翌日から2月を経過した日以後は、原則として年「14.6%」

もっとも、平成26年1月1日以後の期間は、年「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合となる。なお、具体的な割合は、次のとおりとなる。

  • 平成30年1月1日から平成30年12月31日までの期間は、年8.9%
  • 平成29年1月1日から平成29年12月31日までの期間は、年9.0%
  • 平成27年1月1日から平成28年12月31日までの期間は、年9.1%
  • 平成26年1月1日から平成26年12月31日までの期間は、年9.2%


(1) 法定納期限とは、国税に関する法律の規定により国税を納付すべき期限をいう。
(2) 納期限は次のとおり。
期限内に申告された場合には法定納期限、期限後申告又は修正申告の場合には申告書を提出した日、更正・決定の場合には更正通知書を発した日から1月後の日
(3) 特例基準割合とは、各年の前々年の10月から前年の9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の12月15日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加算した割合をいう。

 

延滞税の計算期間の特例

偽りその他不正の行為により国税を免れた場合等を除き、次の場合には一定の期間を延滞税の計算期間に含めないという特例がある。
① 期限内申告書が提出されていて、法定申告期限後1年を経過してから修正申告又は更正があったとき。
② 期限後申告書が提出されていて、その申告書提出後1年を経過してから修正申告又は更正があったとき。
③ 確定申告書を提出した後に減額更正がされ、その後さらに修正申告又は更正があったとき(平成29年1月1日以後に法定納期限が到来する国税について適用される。)。

2. 加算税とは、法定申告期限までに適正な申告がなされない場合に、その申告等を怠った程度に応じて課されるものです。

  • 過少申告の場合は10%又は15%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分)、さらに、仮装隠ぺい等があった場合は35%
  • 無申告加算税の場合は15%又は20%(50万円超の部分)、さらに、仮装隠ぺい等があった場合は40%となります。

3. 税務署の預金調査について

預金等の金融資産等について、税務署は令状なしに預金の残高等を調査することができますので、無申告による脱税はほぼ不可能といえます。税理士に相続税申告を依頼する際に申告すべき資産に漏れがあった場合には延滞税に加え加算税の負担を強いられますので、相続した資産について申告漏れの無いようにくれぐれもご注意ください。
更正・決定を予知しない修正申告・期限後申告の場合は、加算税は課税されないこともありますので、申告期限が経過した場合でも、税務署の調査を受けるまでにできるだけ早期に申告を行う必要があります。

4. 名義預金にご注意ください。(被相続人が開設・預金した家族名義の口座)

被相続人が家族名義で預金口座を開設した場合には、被相続人に帰属する預貯金として、相続税の申告漏れとなります。税務署の相続税調査において主要な調査対象項目となりますので、特に注意が必要です。
名義預金であるか、名義人の個人財産であるかの判定は、出捐者、管理・運用の状況、利益の帰属者、被相続人と名義人との関係、口座開設の経緯などから判断します。名義人の収入等からして高額の預金額である場合で出捐者が被相続人である場合は、通常は相続財産と推認されることとなります。
当事務所が相続税申告の依頼を受けた後、相続税に課税される資産調査をする場合に、相談者から、「預金名義が相続人名義であるから相続財産とは思わなかった。」という声をよく聞きます。相続人がよく陥りがちであり、延滞税及び過少申告加算税が課税されるリスクが最も高い典型例であると言えます。
名義預金は、遺産分割においては、特別受益としてもち戻しの対象となりますので、遺産分割における財産目録の調製時に目録に挙げる必要があります。
次にあげる不明出金や生前の利益供与についても、税務調査の対象となりますので注意が必要です。

5. 預貯金からの不明な出金や生前における利益供与・利益享受について

被相続人死亡による預貯金の凍結に備えて、死亡直前に相続人の一人が多額の出金を行うことがあります。その現金は、相続財産として課税の対象となります。また、相続人が自らのために費消した場合は、みなし贈与または被相続人の出金した相続人に対する返還請求権という相続財産として、相続税のとして課税の対象となりますので注意が必要です。
また、生前の資金援助等の利益供与については、贈与税の対象となり、贈与と見ないのであれば返還請求権という相続財産として相続税の課税対象となります。


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