遺産分割における不動産の評価方法

遺産分割における不動産の評価方法

遺産分割調停や遺産分割審判の時の不動産の評価はどのように決めているのでしょうか。
遺産分割調停や審判での不動産の評価の定め方は,当事者の合意によって決めるのが原則です。当事者が合意できない場合は、裁判所の選任する不動産鑑定士の鑑定評価を基に裁判所が審判します。

 遺産分割において、分割対象となる不動産の評価は、遺産分割時の時価を基準に行います。
不動産の評価方法としては、固定資産評価額,相続税評価額(路線価),公示価格、不動産業者の査定書を基準にして,評価の合意がされるのが一般的です。不動産業者の査定書を基準に用いる場合には,当事者双方から,又は,当事者の一方から,査定書を提出して,平均値をとることもあります。
しかし,固定資産評価額,相続税評価額は,市場価格よりも低額であるのが通常です。よって、土地については、固定資産評価額を0.7で割り戻したり、路線価を0.8で割り戻したりするなどして評価額を決定します。また,不動産業者による査定書も一方当事者の提出した資料であることから客観性に問題がないとはいいきれません。
 そのため,これらの価格を基準とした場合でも合意できないこともあります。
 相続人の一方が、不動産を取得し、他方が代償金を取得する場合には、不動産を取得する方が不動産の鑑定評価を下げようとし、代償金を取得する方が、不動産評価額を上げようとします。不動産は、高額となることも多いため、不動産の評価で争いになるとなかなか決着がつかず、紛争解決まで長期間を要するケースも稀ではありません。
当事者で合意できない場合は、裁判所が不動産鑑定士を選任して鑑定を実施することになります。
 調停手続中に鑑定を実施する場合は、法定相続分に基づいて各当事者が負担するのが原則となりますが、相手方が不出頭の場合には、申立人が鑑定費用を立て替えることになります。
 遺産分割審判をする場合は、裁判所は、家事事件手続法28条により費用負担の定めをすることになります。
 不動産鑑定を行う場合には、不動産鑑定士の費用が掛かります。1筆で数十万円かかります。例えば、遺産に含まれる土地が10筆あり、その布部手の不動産の評価額に争いがある場合、申立人及び相手方にそれぞれ数百万円の鑑定費用の負担が生じることも稀ではありません。そのうえ、裁判所の鑑定費用の負担も含めれば、鑑定費用だけでかなりの負担となります。
 そして、出てきた鑑定人の鑑定意見は、従前の当事者の主張のちょうど中間地点の評価額であるということも良くあります。
 要するに、当事者が、それぞれの主張の中間地点で合意していれば多額の鑑定費用がかからなかったという場合もあります。
 不動産評価が遺産分割の主要な争点であるケースは、なるべく鑑定人の評価を経ることなく、合意により決定することが早期解決にもなり、費用負担も軽くなります。

以上

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