遺留分と遺留分減殺請求

遺留分と遺留分減殺請求

1. 遺留分とは

 例えば、遺言者が全財産を一部の相続人に相続させるという遺言書を作成した場合、遺産をもらえない他の相続人の今後の生活を保護する趣旨で、特定の割合について、遺言の効力が否定される制度を遺留分といいます。

2. 遺留分割合

 配偶者及び子供の遺留分は相続財産の2分の1であり、直系尊属のみが相続人である場合は3分の1となります。兄弟姉妹には遺留分は認められていません。

 例えば、子供2名と配偶者が相続人の場合は、子供の遺留分割合は8分の1、配偶者の割合は4分の1となります。

 また、配偶者と直系尊属1名が相続人の場合は、配偶者6分の2、直系尊属が6分の1となります。

3. 遺留分減殺請求と時効期間

 遺留分を行使することを遺留分減殺請求権といいます。遺留分には相続開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知ったときから1年という時効期間があります。相続開始後1周忌が経過する頃には遺留分減殺請求権が時効消滅します。

 遺言により、自分の遺留分が侵害されている可能性があると思われた場合は、早急に遺留分減殺の意思表示を行う必要があります。

 時効期間内に遺留分減殺請求権を行使したことを証明するために内容証明郵便等で遺留分減殺請求の意思表示が送達された時期を明確にする必要があります。

4. 遺留分減殺請求権の行使方法

 遺留分を侵害された方は、1年の時効期間完成までに内容証明郵便で、遺留分減殺請求権を行使する旨の意思表示を内容証明郵便で相手方に送達する必要があります。

 遺留分減殺請求権を行使する旨の内容証明郵便は、相手方に受け取り拒否されると、通知を出した遺留分権者に返送されてしまいます。その場合は、訴訟提起を行って特別送達手続きにより送達する場合もあります。

 遺留分減殺請求訴訟等を提起すれば、訴訟提起時に時効が中断します。
遺留分減殺請求権を行使するという意思表示はなるべく早めに行うほうが無難です。1年の時効期間のギリギリになってご相談に来られ、内容証明郵便も受け取り拒否され、短期間に訴訟提起せざるを得ないというケースも稀ではありません。早め早めに専門家にご相談されることをお勧めします。

5. 兄弟姉妹には遺留分がありません。

 お子様がいらっしゃらないご夫婦のケースで、夫が亡くなった場合、夫の兄弟がいらっしゃると、夫の兄妹も相続人となります。

 奥様は夫がなくなり先行き不安ですから、夫の財産はすべてご自身が相続したいと考えるのが普通ですが、夫の兄弟はそう簡単には相続放棄してくれません。

 夫の兄弟の法定相続分は4分の1です。夫が奥様にすべての財産を相続させるとの遺言書を作成しなかった場合は、奥様は夫の兄弟と遺産分割協議をしなければなりません。

 夫の兄弟の相続を未然に防ぎし、奥様に夫の財産のすべてを相続させるには、遺言書の作成が必要です。
遺言書を作成して奥様に全部を相続させるとすれば、夫の兄弟には遺留分はありませんので、奥様はすべての遺産を相続することができます。


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