遺言

自社株や預金等の多額の遺産があり、遺言書を作成して、紛争を事前に防止し、相続税対策も行った例

解決事例 遺言

事案の概要

 相談者(80歳)の遺産総額は、不動産、自己の経営する会社の株式、預金等で約2億6000万円。妻(74歳)の遺産総額は、不動産、夫の経営する会社の株式、預金等で約1億4000万円。夫婦間の子供は兄弟2人で、次男(50歳)が現在会社の取締役であり、将来、代表取締役に就任する予定である。

ご夫婦のご希望

 遺言により次男へ事業の承継し、相続税対策も行い、将来的には兄弟間の紛争を未然に防止したい。

ご夫婦のご希望を聞いた上でのご提案内容

 相談者と奥様のお二人が、公正証書遺言を作成する。
相談者の自社株式の全部を次男に相続させる。不動産は長男へ相続させる。金融資産については各2分の1ずつとする。

 もっとも、自社株の価値が高く、長男の遺留分を侵害する可能性があった。そこで、従前、相談者が長男の扶養下にある孫の医学部の学費を負担していたことから、遺言書に贈与額を記載した。贈与額を相談者の遺産総額に加算すれば、長男の遺留分を侵害せず、将来、長男が遺留分減殺請求する可能性が低くなった。もっとも、自社株の価値が上昇すれば、再び遺留分を侵害する可能性がある。相談者は、生きている間に自社株を次男に贈与する意思は全くなかったので、除外合意や固定合意を行う余地はなかった。

 その他、自社株の相続については、事業承継税制を活用し、自社株相続に関する相続税の負担はゼロとなる見込みである。また、非課税枠を最大限利用して生命保険に加入した。また、毎年、非課税枠の範囲内で、暦年課税の贈与を計画した。
奥様については、長男と次男に、おおよそ2分の1ずつを相続させる。

お役様の声(相談者)

 会社の今後や税金面について私たちが亡くなった後のことが心配でしたが、なかなか夫にも遺言を書いてほしいとは言いにくく長年放置してしまいました。思い切って相談し、税金も安くなりそうで、長年のモヤモヤが晴れました。

弁護士からの一言

 遺言について長年に渡りモヤモヤした不安を抱えておられる方も多いようですが、実際に行動に移すには、思い切りが必要です。自社株が絡む場合は、なるべく株を分散させずに、事業承継者に株式全部を承継させて、経営上の対立が生じないようにする必要があります。事業承継税制については、特例が出ましたので、相続税の負担は亡くなります。ただし、生前に贈与しなければ、除外合意や固定合意が使えませんので、株価が上昇した場合には、遺留分を侵害する可能性が出てきます。株価対策も限界がありますので、兄弟間で対立が生じないように配慮が必要です。

 相続税対策についてはなるべく早く対策を立てた方が節税効果も大きいので、なるべく早めにご相談されることをお勧めいたします。

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