遺言が書き直された場合

遺言が書き直された場合

先日、私の父が亡くなりました。私の父は、5年前に公正証書遺言を作成していました。その内容は、『実家の土地と建物を私に、預貯金を妹に相続させる』旨の遺言です。兄妹とも、この遺言の存在は知っていましたし、異論もありませんでした。
しかし、この度、父の遺品を整理していたら、1年前に作成された自筆証書遺言が見つかりました。この遺言には、『全ての財産を妹に相続させる』旨の遺言がされていました。私は、新しく出てきた遺言には納得していません。そこで、ご相談なのですが、(1)5年前の公正証書遺言、(2)1年前の自筆証書遺言のいずれに効力があるのでしょうか。
(2)1年前の自筆証書遺言に効力があります。

 遺言は、新しい遺言が優先します。そのため、公正証書遺言という厳格な要式でなされる遺言であっても、後に自筆証書遺言がなされた場合には、新しい遺言が優先し、公正証書遺言は無効となります。
 これは、新しい遺言によって古い遺言が撤回したものとみなされるからです(民法1022条、1023条,大判昭18・3・9。

 しかし、相談者様が納得できないのであれば、遺留分減殺請求権を行使することで、遺留分の範囲内で一定の財産を相続することができます。

 遺留分減殺請求権(民法1028条以下)とは、相続人の相続財産に対する期待を保護する制度であり、相続人は遺留分(法定相続分に従って一定の割合に決せられる。)については、遺言の内容とは無関係に、相続することができます。
 相談者様の場合では、相談者様の法定相続分が2分の1であるため、遺留分は4分の1になります。
 したがって、相談者様は、相続財産のうち4分の1の割合に当たる財産を相続することができます。

 遺留分減殺請求権を考えるにあたっては、注意が必要なことがあります。
 この権利は、「相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時」から1年間を経過すると、行使できなくなることです(民法1042条)。
 そのため、時機におくれない対応が必要になります。

 妹様との交渉が長引いて、1年の期限が迫るようでしたら、弁護士への相談も考えてみてもよろしいかもしれません。

 ご自身で解決される場合は、簡潔でも構いませんので、妹様に遺留分減殺請求権を行使する旨を記載した内容証明郵便を送付することをお勧めします。

 ご参考にしてください。

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