相続で借金を相続しないようにするには(相続放棄)

相続放棄と限定承認

1. まず、相続放棄から説明します。

 相続は、先ほども説明したように、単純承認と限定承認と相続放棄があります。単純承認するとプラス財産も負債などのマイナス財産もすべて相続することとなります。負債がないと思っていたのに、思わず多額の借金も相続してしまう危険性があります。
プラス財産よりも、借金の方が多い場合には、相続から3か月以内に、相続放棄する必要があります。
仮に、3カ月経過後に、債権者から借金の取り立てを受けた場合には、申述期間の3か月が既に経過したとしても、速やかに相続放棄の申述を申し立てるべきです。
最高裁判例では、借金があることを知ってから3か月以内に相続放棄の申述を行った場合でも相続放棄の効果が認められるとしたケースがあります(最高裁昭和59年4月27日判決 判例タイムズ528号81頁 )。

2. 相続放棄と相続税における注意点について

被相続人に借金がなかった場合でも、自分の生計は自分で維持できる、残されたお母さんに相続させる趣旨で、相続放棄をする場合もありますが、相続税の面で注意が必要です。
相続放棄者が死亡保険金の遺贈を受けるなどみなし相続財産の遺贈を受けると、遺贈により財産を取得したものとみなされ、相続税の納税義務を負う場合があります。この場合、相続人を対象とした各種特例(死亡保険金、死亡退職金の非課税金額規定等)の適用はありません。
被相続人に借金がないのに、相続放棄をする場合は、相続税の納税の負担を十分に検討したうえで行う必要があります。

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